パッケージとは、ソフトウエアのプログラム本体やライブラリ、マニュアル、設定情報などをまとめた1つのファイルです。Linux OSでは、ソフトウエアをパッケージ単位で管理することが多く、このシステムを「パッケージ管理システム」と呼びます。
パッケージが別のパッケージなしでは動かない場合、このような関係をパッケージの依存関係と呼びます。
【 パッケージの競合関係 】パッケージが別のパッケージと依存関係がある場合で、また、別のパッケージもその同じパッケージと依存関係がある場合、このような関係をパッケージの競合関係と呼びます。
【 リポジトリ 】(repository)ファイルやデータを蓄積している場所や、それらの情報を管理するデータベースのことを意味します。
aptコマンドは、Debian系のディストリビューションに使われているパッケージ管理用のコマンドです。
● apt コマンド構文
apt [オプション] [ファイル名・パッケージ名] |
|
list | パッケージ一覧を表示する |
search キーワード | パッケージの説明文からキーワードを検索して該当するパッケージを表示する |
show | 指定したパッケージの情報を表示する |
install | 指定したパッケージをインストールする |
remove | 指定したパッケージを削除する |
apt-get コマンドはパッケージのインストールやアップデートなど、 パッケージ管理を行うためのコマンドです。
apt-getコマンドは、パッケージをダウンロード・インストールする時のパッケージのダウンロード元の情報を/etc/apt/sources.listから得ます。ダウンロード元の情報を追加・修正するには、/etc/apt/sources.list を修正します。
/etc/apt/sources.listの各行の冒頭が deb と deb-src からなる行があります。これらは、アーカイブの種類を示しています。つまり、通常使うコンパイル済のパッケージであるバイナリ パッケージ は deb の行です。それから、オリジナルのプログラムソースと Debian のコントロールファイル (.dsc) 、およびプログラムを 'Debian 化' するのに必要な変更点を含んだ diff.gz からなるソースパッケージが deb-src 行です。
# Debian/Squeeze is the stable base for this installation deb http://ftp.jp.debian.org/debian stable main contrib non-free deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian stable main contrib non-free deb http://security.debian.org stable/updates main contrib non-free # testing/unstable/experimental contain newer versions, but # packages from there are not being installed by default, unless # they came from there in the first place. deb http://ftp.jp.debian.org/debian testing main contrib non-free deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian testing main contrib non-free deb http://security.debian.org testing/updates main contrib non-free deb http://ftp.jp.debian.org/debian unstable main contrib non-free deb http://ftp.jp.debian.org/debian experimental main contrib non-free ・ ・ 省略 |
編集後はソースリストのアップデート(更新)を行います。
# apt-get update |
update | パッケージリストを取得・更新する |
upgrade | インストール済みのパッケージをアップグレードする |
install | 新規にパッケージをインストールする |
remove | インストールされたパッケージを削除する |
source | ソースパッケージを取得する |
build-dep | ソースパッケージのビルド依存情報を設定する |
dist-upgrade | ディストリビューションをアップグレードする |
clean | ダウンロードしたアーカイブファイルを削除する |
autoclean | アーカイブファイルの中で古いものを削除する |
check | 壊れた依存関係がないかをチェックする |
(auto-aptを使用します。auto-aptを始めて利用する場合は、以下の手順を実行してください。updateが終ったら、使用できるようになります。)
# apt-get install auto-apt # auto-apt update |
# auto-apt search package-2.1.1-10.i386.rpm |
# apt-get install package |
# apt-get --reinstall install package |
# apt-get install package/testing |
# apt-get install package/unstable |
# apt-get remove package |
# apt-get --purge remove package |
# apt-get --purge --force-yes remove package |
# apt-get update |
# apt-get autoclean |
# apt-get clean |
apt-cache コマンドはパッケージ情報を照会・検索することのできるコマンドです。照会・検索するパッケージはインストールされてなくてもかまいません。
● apt-cache コマンドのオプションadd | パッケージファイルをソースキャッシュに追加する |
gencaches | パッケージ/ソースキャッシュを生成する |
showpkg | 単一パッケージの一般情報を表示する |
showsrc | ソースレコードを表示する |
stats | 基本ステータス情報を表示する |
dump | すべてのファイルを表示する |
dumpavail | 存在するファイルを標準出力に出力する |
unmet | 未解決の依存を表示する |
search | 正規表現によってパッケージを検索する |
show | パッケージの情報を表示する |
depends | 指定パッケージが依存しているパッケージを表示する |
rdepends | 指定パッケージに依存しているパッケージを表示する |
pkgnames | すべてのパッケージ名を表示する |
dotty | GraphVis用のパッケージグラフを生成する |
xvcg | xvcg用のパッケージグラフを生成する |
policy | ポリシー設定情報を表示する |
# apt-cache gencaches |
# apt-cache show package |
# apt-cache showpkg package |
# apt-cache depends package |
# apt-cache search [キーワード] |
apt-file コマンドは、ファイルがどのパッケージ(debファイル)に収録されているかを検索するコマンドです。インストールされていないパッケージも対象になります。
apt-fileコマンドは、デフォルトではインストールされないので、apt-fileがインストールされていない場合は「sudo apt install apt-file」(または「sudo apt-get install apt-file」)として、インストールします。
apt-file [オプション] コマンド [オプション] |
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search(またはfind) | パターンで指定した名前のファイルが含まれているパッケージを一覧表示する |
list(またはshow) | パターンで指定したパッケージに収録されているファイルを一覧表示する |
purge | キャッシュを削除する |
update | パッケージリストを/etc/apt/sources.listに従い再取得する |
-F --fixed-string |
パターン全体と一致するものだけを対象にする |
-i --ignore-case |
大文字小文字を区別しない |
-x --regexp |
パターンを正規表現として解釈する |
-f --from-file |
パターンをファイルから読み込む |
-D --from-deb |
パターンにdebファイル名を指定する(例えば「apt-file -D list sample.deb」では、sample.debに収録されているファイルが一覧表示される) |
-a 種類 --architecture 種類 |
アーキテクチャ(amd64、i386など)を指定する |
-c 場所 --cache 場所 |
キャッシュディレクトリの場所を指定する |
-d 場所 --cdrom-mount 場所 |
CD-ROMのマウントポイントを指定する |
-s ファイル --sources-list ファイル |
sources.listを指定する(通常は/etc/apt/sources.list) |
-N --non-interactive |
ユーザーからの入力を待たずに実行する |
-y --dummy |
ダミーモードで動作する(何も行わない) |
-l --package-only |
パッケージ名だけを表示する |
-v --verbose |
動作内容を表示しながら実行する |
$ apt-file update |
# apt-file -F search apache |
aptitude コマンドは、パッケージの検索からダウンロード、インストール、アンインストールなどを行なえ、パッケージの依存関係も管理することができます。
● aptitude コマンド
aptitude [オプション] |
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update | パッケージ一覧情報の更新をします。パッケージの更新は行いません。 |
show パッケージ名 | パッケージの詳細情報を表示します。 |
install パッケージ名 | パッケージをインストールします。 |
search 検索キーワード | 検索キーワードにヒットしたパッケージの一覧を表示します。 |
remove パッケージ名 | パッケージを設定ファイルを残したまま削除します。 |
purge パッケージ名 | パッケージを設定ファイルも含めて削除します。 |
download パッケージ名 | パッケージの.debファイル(ソースファイル)をダウンロードします。ダウンロードするだけでインストールはしません。 |
upgrade | インストールされている全てのパッケージを更新します。 |
reinstall パッケージ名 | パッケージを再インストールします。 |
# aptitude install apache2 |
# aptitude purge apache2 |
# aptitude update |
rpmパッケージなどをDebian用のdebパッケージにするためには、alien コマンドを使用します。
● alien コマンド
alien [コンバート形式] [オプション] ファイル名... |
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-i | 作成したパッケージをインストールする |
-g | デフォルトである/var/lib/alien以下からバッチを探すが、別のディレクトリからバッチを探す場合に指定する |
-patch | デフォルトの/var/lib/alien以外のディレクトリからバッチを探す場合に指定する |
-no-patch | バッチを利用しない |
--description | tgzからの変換にパッケージの要約を追加する |
# alien --to-deb -i s1-3.03-2.i386.rpm |
# alien --to-deb s1-3.03-2.i386.rpm |
# alien --to-rpm s1-3.03-2.i386.rpm |
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